チームより一言

一年を振り返って

昨年度 昨年,連覇を目指して望んだ第4回大会では,11位に沈んでしまいました.
当時,1年間チームの活動から離れていた私は,表彰式で一般観客席からチームメンバーの肩を落とした姿を,ただ見守ることしかできなかったのです.自分が何もできない歯がゆさと,チームが負けた悔しさ.ポディウムの頂点で嬉し涙を流し喜ぶ上智大学.
 そんな光景を目の前にし,私が第3回大会で優勝した時に味わった感動が蘇ってきました.私が卒業するまでに,あの感動をもう一度チームに伝えたい,そのために何かできることはないだろうか.
そう考えた結果,僕は「日本一のチームを作る」という目標を持ってチームに戻ることを決めました.

作業 今年度の車輌は,低重心化,ヨー慣性の低減,軽量化といったレーシングカーの基本となる性能向上を目指すだけでなく,ドライサンプやターボチャージャ,トラクションコントロールシステムといった新技術を搭載することに決めました.ただ速いだけではダメ,やるからにはデザイン審査でも一位を取りたい.そんな気持ちが新技術導入に踏み切る後押しとなりました.

 今年初となるターボチャージャ,トラクションコントロールを先行開発していた院生チームとの共同作業や,設計のメインとなる4年生が例年より少ない中での車輌開発は,苦労と苦難の連続でした.初めて設計・製作を行う1,2年生,例年であれば4年生が受け持っていた部品の設計・開発を任された3年生,新技術の実機搭載と44名という大人数をまとめることに苦労した4年生.全員が大会に参戦するまでに苦労とともに成長してきたと思います.

 迎えた第5回大会では,直前のエンジントラブルや静的審査資料の準備不足で大会前日,そして当日の夜も毎晩慌しいものとなりました.実際の静的審査,動的審査では良いところまで行っておきながら,いつもあと一歩というところでのイージーミス.詰めの甘さを感じた一年でした.
 私自身,表彰式では思わず悔し涙を流してしまいましたが,この悔しさが多くのメンバー,そしてこの大会に関わる他大学の皆さん,大会関係者の方々に伝わったのかなと思うと幸いです.

表彰式 今回,総合3位で表彰台に登ることができたことは,スポンサーの皆様,指導してくださった先生方,大学教職員の皆様,チームメンバーとそのご家族のおかげであると思います.来年は再び優勝出来るよう,この1年間の教訓と悔しさ,そして感謝の気持ちを忘れずに,尽力していきたいと思います.

 今後とも金沢大学フォーミュラ研究会にご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします.

(大竹)

次年度へ向けて

 私は昨年の4月に3年次編入生として金沢大学に入学しました.学生フォーミュラの存在を入学前に知り,この活動をやろうと考えていました.入会するとそのレベルの高さに驚かされ,この中で何が出来るのかと不安を抱えたまま参加した2006年度大会.

 2007年度大会参戦チームに移行した際,私はエンジン班リーダーに抜擢されました.そのエンジン班のメンバーで今まで実際に車輌設計を経験したことの有るのは僅かに一人.完全に手探り状態でのスタートでした.

写真 しかし蓋を開けてみれば,責任感が強く問題点にも果敢に取り組んでくれた2年生.唯一設計経験があり知識も豊富ということで,多くの重要部品の設計を嫌な顔一つせず,いつも笑顔で取り組んでくれた4年生(5年?).修士課程として研究があるにも関わらず,チームをいつも気遣ってくれた院生の方々.私たちの為に貴重な時間を割いて下さったスポンサーの方々.
本当に多くの人に支えられ当初無謀とも思えるエンジンの仕様を変更することなく車輌に搭載し,完走することが出来ました.本当にありがとうございました.

 このように活動してきた私が2008年度チームリーダーを務めさせて頂く事となりました. 年々出場校のレベルが上がってきている中,車輌には新技術搭載を,チームには失敗から得た教訓の蓄積を行うことで更なる進化を図ってまいります.

 チーム一同皆様のご期待に沿えるよう邁進してまいります.今後とも応援よろしくお願い致します.

(齋藤)